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2022/01/21歯科衛生士に不向きな人の特徴とは?適性を身につけるための方法や対策も紹介

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高度な技能や資格をもった専門職はさまざまなものがありますが、なかでも私たちの生活に身近な職業として歯科衛生士があります。女性を中心に多くの歯科衛生士が活躍しており、最近では少しずつ男性の歯科衛生士も増えてきました。

しかし、歯科衛生士に限らず向き・不向きが存在することは事実であり、歯科衛生士にも不向きな人は存在します。そこで今回は、歯科衛生士に向いていない人はどのような特性があるのか、それを克服するための対策や方法も含めて詳しく解説します。

歯科衛生士の仕事内容

 

自分自身が歯科衛生士に向いているかどうかを判断するためには、そもそも歯科衛生士とはどのような業務を担っているのかを把握しておかなければなりません。歯科衛生士として従事する職場によっても仕事内容はさまざまですが、公益社団法人日本歯科衛生士会では以下の3つに分類しています。

歯科予防処置

歯科予防措置とは、虫歯と歯周病を予防するための処置です。歯の大きさや形、歯並びは人によってもそれぞれ異なり、幼少期のうちは虫歯がなく健康な状態を保っていても、生活習慣などによって虫歯や歯周病が発生することも珍しくありません。

そこで、虫歯や歯周病になりやすい状態であるかを見極め、歯の表面にフッ化物を塗布したり歯垢や歯石を除去したりといった処置を行います。

歯科診療の補助

歯を削る行為や麻酔の注射、抜歯などは歯科医師でなければできません。しかし、診療は歯科医師一人でできるものではなく、バキュームや器具の準備などを担うスタッフが不可欠です。

そこで、歯科衛生士は歯科医師の診療をサポートし、歯科医師の指導のもとで治療の一部を担当することもあります。

歯科保健指導

歯科保険指導とは、口腔内の健康を維持するためにブラッシングの指導や生活習慣の見直しなどを助言することです。

虫歯は子どもから高齢者まで世代を問わずリスクがありますが、少しでもリスクを減らすためには歯磨きが欠かせません。また、高齢者のなかには摂食・嚥下機能の低下に悩む患者も多いため、介護施設などで食べ物を噛む・飲み込むための訓練を行うこともあります。

歯科衛生士に不向きな人の特徴

 

歯科衛生士という仕事に憧れて試験に合格し、実際に現場で活躍できるようになったものの「自分にはこの仕事が向いていないのではないか」と悩む人も少なくありません。具体的にどのような人が歯科衛生士に不向きなのか、今回は4つの例にわけて解説しましょう。

コミュニケーションが苦手な人

歯科衛生士と聞くと歯の治療に専念する専門職というイメージをもつ方も多いと思いますが、実際の現場では患者や歯科医師との緊密なコミュニケーションが求められる職業です。たとえば、来院した患者に対してどこの歯が痛むのか、痛みだした時期など、さまざまな情報を聞き出す必要があります。

また、歯科医師から治療方針を仰ぎ、それを患者に対して分かりやすく伝えることも歯科衛生士の重要な役割です。そのため、人とのコミュニケーションが苦手な人は、歯科衛生士として働きはじめた後で「想像していたよりも苦痛に感じる」、または「自分にこの仕事は合っていない」などと感じる可能性もあります。

手先が器用ではない人

歯科診療の補助では、狭い口腔内にさまざまな器具を入れて歯石の除去やクリーニング、吸引などを行います。いずれも細かい作業となるため、手先の器用さに自信がない人にとっては難易度が高く感じられるかもしれません。

また、歯科診療に用いる器具は先端の尖った鋭利なものも多いほか、詰め物や歯面に塗布する薬剤など慎重に扱わなければならないものも多いです。少しでも気を抜くと患者の口腔内を傷つけてしまう危険性もあり、集中力が続かない人にとっても苦痛に感じる可能性があります。

些細なミスで傷つきやすい人

歯科医院にはさまざまな患者が訪れ、些細なミスや言葉の行き違いなどによってクレームを受けることもあります。また、歯科医師や先輩の歯科衛生士のなかには、厳しい指導をするケースもあるでしょう。

単に「怒られた」と感じ傷つきやすい人は、自分自身の成長につなげることが難しく、業務に対して萎縮してしまう可能性もあります。その結果、なかなか仕事に慣れることができず、最悪の場合退職につながるケースもあるでしょう。

柔軟な対応が苦手な人

歯科診療の現場では、患者によっても症状はさまざまで、治療方針が異なるケースがあります。また、患者本人の意志によっても治療方針が変わることも珍しくありません。

専門学校や大学などの歯科衛生士を養成するカリキュラムでは基本的な知識や手技を学べますが、学校で学習した内容がそのまま現場でも生かせるとは限らないものです。一人前の歯科衛生士になるためには実践を積み重ねていくことが不可欠であり、その過程において柔軟な対応が苦手な人は仕事そのものが不向きと感じることもあるでしょう。

歯科衛生士としての適性を身につけるための方法・対策

 

現在、歯科衛生士として活躍している人は、もれなく適性が備わっていたとは限りません。また、適性がないからといって簡単に歯科衛生士の道を諦めきれないという人も多いことでしょう。

では、今後歯科衛生士として活躍していくためにどのような方法で適性を身につければ良いのでしょうか。

コミュニケーションの練習をしてみる

歯科衛生士にとって不可欠な要素であるコミュニケーション能力は、先天的に身についているものだと誤解しがちです。たしかに、生まれもった性格によって明るくポジティブな人もいれば、会話が苦手でネガティブな人も存在します。

しかし、コミュニケーション能力=明るい人、というわけではなく、話ベタな人であっても能力を伸ばすことは可能です。自分から話題を提供することが苦手な人は、相手の話に積極的に耳を傾けることを意識してみましょう。これを傾聴の姿勢とよび、親身になって話をしてくれる人に対し多くの患者は信頼を寄せるようになります。

手技の練習を繰り返す

細かい作業が苦手な人や集中力が続かない人は、手技の練習を継続的に行うようにしましょう。仕事に対する姿勢や適性はその人の性格が影響することもありますが、それ以上に日々の訓練や習慣によって慣れてくることも多いものです。

毎日のように手技の練習を積み重ねていけば、もともと細かい作業が苦手な人であっても集中力が維持でき苦痛に感じられなくなります。また、何よりも手技の精度がアップし、歯科衛生士としての腕が磨かれ多くの患者や歯科医師から信頼を獲得できるはずです。

自分自身の成長を意識する

些細なクレームや仕事のミスによって落ち込んでしまう人は、精神的に立ち直るのに時間を要してしまいます。しかし、「怒られた」という事実のみに着目するのではなく、自分自身が成長段階にあるとポジティブな方向にとらえてみるのもおすすめです。

たとえば、作業ミスを指摘された場合には、「大きな事故につながる前に指摘してもらえてよかった」と認識することで、今後二度と同じミスを起こさないようになるはずです。

実践の現場経験を積み重ねる

歯科診療の現場では、たびたび治療方針が変わることも多く、その都度柔軟な対応が求められます。しかし、こればかりは実践を積み重ねていくほかなく、専門的な知識よりも実務経験が重要となります。

専門学校や大学では歯科医院などでの実習がカリキュラムとして組み込まれているため、先輩の歯科衛生士がどのような動きをしているのかをよく観察しながら、臨機応変な対応力を身につけていきましょう。

努力次第で歯科衛生士の適性は身につけられる

 

今回紹介してきたように、歯科衛生士として活躍するためにはさまざまな適性が不可欠です。しかし、現在活躍している歯科衛生士全員が始めから適性を持ち合わせていたとは限りません。生まれ持った性格や考え方によっても左右されるところはありますが、仮に適性がなかったとしても訓練や努力次第で適性を身につけることもできます。

今回の内容を参考にしながら、自分自身が身につけるべき適性を分析し、訓練を積み重ねていきましょう。