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  • 2022.01.21歯科衛生士になるために、専門学校や大学ではどのような実習が行われる?
  • 子どもからお年寄りまで、あらゆる世代において歯科医院は身近な存在です。歯の治療には免許をもった歯科医師が不可欠ですが、歯科医師をサポートする歯科衛生士も重要な役割を担います。

    歯科衛生士になるためには、専門学校や大学、短期大学などで専門の課程を修了後、国家試験に合格することが条件として定められています。

    専門学校や大学では最低でも3年以上のカリキュラムをこなす必要があるのですが、そのなかでも特に重要とされているのが実習です。今回は、歯科衛生士になるためにどのような実習を行うのか、実習の目的もあわせて解説します。

    歯科衛生士になるための実習は3種類

     

    歯科衛生士のカリキュラムを学ぶ専門学校や大学では、一般的な座学だけでなく手技を学ぶ実習が欠かせません。

    しかし、一口に実習といっても、その目的や内容に応じて「基礎実習」、「臨床実習」、「臨地実習」の3種類に分けられますそれぞれの実習内容は何が異なるのか、主な違いについて紹介しましょう。

    基礎実習

    基礎実習とは、おもに大学や専門学校のキャンパス内で歯科の手技を学ぶ実習です。歯科医院において、歯科衛生士は歯石の除去や麻酔薬の塗布、歯のクリーニングなどを行いますが、基礎実習ではこれらの手技を学びます。

    基礎実習の進め方は専門学校や大学によっても多少異なりますが、多くの場合は少人数のグループを組んで進められることがほとんどです。

    臨床実習

    臨床実習とは、実際の歯科医院において実践的な内容を学ぶ実習です。基礎実習によって手技の基本が身についたとしても、患者によって口腔内の状態や症状は千差万別です。患者に合わせた適切な処置を行うためには、実際に診療の現場を経験し実践を積み重ねていくほかありません。

    また、患者によっては歯の治療そのものに不安を抱いているケースも多いもの。スムーズな治療を進めていくためには、患者の不安を取り除けるようなコミュニケーションを図ることも歯科衛生士の重要な仕事です。これについても、基礎実習だけでなく臨床実習によって経験を積み重ねていくのが効果的といえるでしょう。

    臨地実習

    臨地実習とは、歯科医院以外の場所で行われる実習のことを指します。歯科衛生士が活躍する現場は歯科医院が代表的ではありますが、それ以外にも保健所や福祉施設、学校、総合病院など多岐にわたります。

    そして、歯科医院の場合は歯科医師のサポートが主な業務となりますが、保健所や福祉施設、学校などにおいては、利用者や生徒に対する保健指導が主な業務となります。

    臨地実習では、特に小さな子どもや高齢者などに接する機会も多く、ブラッシングの指導はもちろんのこと口腔内の健康を維持するための食事指導・生活指導なども含まれます。歯科医院よりもさらに利用者と密接なコミュニケーションが求められるのも臨地実習の特徴といえるでしょう。

    歯科衛生士になるための実習の目的

     

    歯科衛生士としての手技を修得するだけであれば、必ずしも歯科医院などで実習を経験する必要はなく、学校内での基礎実習を繰り返す方法もあるでしょう。にもかかわらず、なぜ歯科衛生士の養成課程には実習が組み込まれているのでしょうか。そこにはさまざまな理由・目的があるのですが、特に代表的なポイントとして3つ紹介します。

    歯科衛生士に求められる役割や専門知識の修得

    歯科衛生士の養成課程においては、座学や基礎実習によってさまざまな知識を身につけられます。しかし、専門的な内容が頭で理解できたとしても、どのような場面でその知識が生かせるのかを把握できていないと役立てることは難しいものです。

    状況に応じて、過去に学習した内容を臨機応変に活用できるようにする必要がありますが、これは実践を積み重ねていくほかありません。また、歯科衛生士の業務内容は多岐にわたり、従事する現場によっても求められる役割は変わってきます。これまでに学習した知識が、実践の場でどのように役立つのかを知るためにも、臨床実習や臨地実習は貴重な場といえるでしょう。

    患者とのコミュニケーションのとり方を学ぶ

    特に小さな子どもの場合、歯科治療そのものに恐怖を覚えるケースも少なくありません。また、子どもに限らず、十分な治療方針の説明がないまま治療に入ってしまうと、不信感を抱かれてしまうこともあるでしょう。そのような患者の不安や不信感を取り除くためにも、コミュニケーションを図ることは極めて重要です。

    また、高齢者やさまざまな障がいをもった患者の場合、症状をうまく伝えられないケースもあるでしょう。そのような場合においても、本人だけでなく家族とコミュニケーションをとりながら、今後の治療方針を説明することが求められます。

    さまざまな職種に対する理解を深め協働する

    歯科医院だけでなく保健所や福祉施設、介護施設などにおいても歯科衛生士は活躍していますが、これらの現場には医師や看護師、介護士などさまざまな職種の人が働いています。それぞれが担うべき専門業務が存在し、ときには連携し合いながら業務を進めていくことが求められます。

    歯科医院とは働き方や業務内容も大きく異なることから、臨床実習だけでなく臨地実習の経験も極めて重要です。

    ガイドラインで定められている実習内容

     

    歯科衛生士の養成に向けて、全国歯科衛生士教育協議会は所定のカリキュラムをガイドラインとして定義しています。このなかで、歯科衛生士になるための実習はどのようにルール化されているのか詳しく見ていきましょう。

    まず、総実習時間数は20単位で、1単位あたりの実習時間は45時間と定められています。そのため、歯科衛生士の専門課程を修了するためには延べ900時間の実習を経験することが必須となります。さらに、総実習時間のうち3分の2以上は病院や診療所、歯科診療所で行うことと定められているため、臨床実習は660〜765時間、臨地実習は135〜200時間が目安となります。

    なお、本ガイドラインで定められている「実習」とは、臨床実習や臨地実習のように実践の場で行うものを指しており、基礎実習のように学校内で行われる実習はカウントされません。そして、現場における実習は1年次の段階からカリキュラムを組むことが望ましいともされています。

    学校や実習受け入れ先の状況によっても異なりますが、多くの場合は早期の段階で実習がカリキュラムのなかに組み込まれています。

    【総実習時間】

    20単位(延べ900時間)

    【実習時間の内訳】

    臨床実習:660〜765時間

    臨地実習:135〜200時間

    歯科衛生士の実習における代表的な内容

     

    歯科衛生士養成課程における実習の内容は幅広いですが、今回はそのなかでも大半を占める臨床実習の代表的な内容をピックアップして紹介します。

    う蝕予防処置

    「う蝕」とは一般的に虫歯のことを指します。すなわち、「う蝕予防処置」とは虫歯を予防し、健康的な歯を維持するための指導を行うことです。具体的には、歯面へのフッ化物塗布、フッ化物を用いたうがいの方法、ブラッシングの指導、シーラントなどが挙げられます。

    歯周病予防処置

    虫歯と並び口腔内のトラブルとして多いのが歯周病です。歯周病の治療にあたっては、歯や歯肉を含めた口腔内の検査が不可欠であるほか、スケーラーとよばれる器具を用いて歯石の除去も行われます。また、患者のなかには歯周病であることを自覚していないケースも多いほか、歯周病が原因となって全身の疾患につながるおそれもあります。正しい知識を身につけ、患者に対して歯周病リスクを説明することも重要です。

    診療現場での対応

    歯科医の診療を補助するのも歯科衛生士の重要な業務です。バキューム操作や器具の消毒・滅菌、診療設備の整備などはチェアサイド業務とよばれます。また、治療に用いられる材料や薬品の取り扱い、保管管理のほか、感染症予防策やバイタルサイン、救命処置といった内容も実践のなかに含まれます。

    歯科衛生士になるために不可欠な実習

     

    今回紹介してきたように、歯科衛生士になるためのカリキュラムには900時間もの実習が組み込まれており、それほど現場での実務経験は重要であることがわかります。座学や学校内での実習だけでは修得できないような内容も、歯科医院や保健所、介護施設などの現場では体系的に学ぶことができ、将来現場で役立つことは間違いないでしょう。

    これから歯科衛生士になるために進学を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

  • 2022.01.21歯科衛生士に不向きな人の特徴とは?適性を身につけるための方法や対策も紹介
  • 高度な技能や資格をもった専門職はさまざまなものがありますが、なかでも私たちの生活に身近な職業として歯科衛生士があります。女性を中心に多くの歯科衛生士が活躍しており、最近では少しずつ男性の歯科衛生士も増えてきました。

    しかし、歯科衛生士に限らず向き・不向きが存在することは事実であり、歯科衛生士にも不向きな人は存在します。そこで今回は、歯科衛生士に向いていない人はどのような特性があるのか、それを克服するための対策や方法も含めて詳しく解説します。

    歯科衛生士の仕事内容

     

    自分自身が歯科衛生士に向いているかどうかを判断するためには、そもそも歯科衛生士とはどのような業務を担っているのかを把握しておかなければなりません。歯科衛生士として従事する職場によっても仕事内容はさまざまですが、公益社団法人日本歯科衛生士会では以下の3つに分類しています。

    歯科予防処置

    歯科予防措置とは、虫歯と歯周病を予防するための処置です。歯の大きさや形、歯並びは人によってもそれぞれ異なり、幼少期のうちは虫歯がなく健康な状態を保っていても、生活習慣などによって虫歯や歯周病が発生することも珍しくありません。

    そこで、虫歯や歯周病になりやすい状態であるかを見極め、歯の表面にフッ化物を塗布したり歯垢や歯石を除去したりといった処置を行います。

    歯科診療の補助

    歯を削る行為や麻酔の注射、抜歯などは歯科医師でなければできません。しかし、診療は歯科医師一人でできるものではなく、バキュームや器具の準備などを担うスタッフが不可欠です。

    そこで、歯科衛生士は歯科医師の診療をサポートし、歯科医師の指導のもとで治療の一部を担当することもあります。

    歯科保健指導

    歯科保険指導とは、口腔内の健康を維持するためにブラッシングの指導や生活習慣の見直しなどを助言することです。

    虫歯は子どもから高齢者まで世代を問わずリスクがありますが、少しでもリスクを減らすためには歯磨きが欠かせません。また、高齢者のなかには摂食・嚥下機能の低下に悩む患者も多いため、介護施設などで食べ物を噛む・飲み込むための訓練を行うこともあります。

    歯科衛生士に不向きな人の特徴

     

    歯科衛生士という仕事に憧れて試験に合格し、実際に現場で活躍できるようになったものの「自分にはこの仕事が向いていないのではないか」と悩む人も少なくありません。具体的にどのような人が歯科衛生士に不向きなのか、今回は4つの例にわけて解説しましょう。

    コミュニケーションが苦手な人

    歯科衛生士と聞くと歯の治療に専念する専門職というイメージをもつ方も多いと思いますが、実際の現場では患者や歯科医師との緊密なコミュニケーションが求められる職業です。たとえば、来院した患者に対してどこの歯が痛むのか、痛みだした時期など、さまざまな情報を聞き出す必要があります。

    また、歯科医師から治療方針を仰ぎ、それを患者に対して分かりやすく伝えることも歯科衛生士の重要な役割です。そのため、人とのコミュニケーションが苦手な人は、歯科衛生士として働きはじめた後で「想像していたよりも苦痛に感じる」、または「自分にこの仕事は合っていない」などと感じる可能性もあります。

    手先が器用ではない人

    歯科診療の補助では、狭い口腔内にさまざまな器具を入れて歯石の除去やクリーニング、吸引などを行います。いずれも細かい作業となるため、手先の器用さに自信がない人にとっては難易度が高く感じられるかもしれません。

    また、歯科診療に用いる器具は先端の尖った鋭利なものも多いほか、詰め物や歯面に塗布する薬剤など慎重に扱わなければならないものも多いです。少しでも気を抜くと患者の口腔内を傷つけてしまう危険性もあり、集中力が続かない人にとっても苦痛に感じる可能性があります。

    些細なミスで傷つきやすい人

    歯科医院にはさまざまな患者が訪れ、些細なミスや言葉の行き違いなどによってクレームを受けることもあります。また、歯科医師や先輩の歯科衛生士のなかには、厳しい指導をするケースもあるでしょう。

    単に「怒られた」と感じ傷つきやすい人は、自分自身の成長につなげることが難しく、業務に対して萎縮してしまう可能性もあります。その結果、なかなか仕事に慣れることができず、最悪の場合退職につながるケースもあるでしょう。

    柔軟な対応が苦手な人

    歯科診療の現場では、患者によっても症状はさまざまで、治療方針が異なるケースがあります。また、患者本人の意志によっても治療方針が変わることも珍しくありません。

    専門学校や大学などの歯科衛生士を養成するカリキュラムでは基本的な知識や手技を学べますが、学校で学習した内容がそのまま現場でも生かせるとは限らないものです。一人前の歯科衛生士になるためには実践を積み重ねていくことが不可欠であり、その過程において柔軟な対応が苦手な人は仕事そのものが不向きと感じることもあるでしょう。

    歯科衛生士としての適性を身につけるための方法・対策

     

    現在、歯科衛生士として活躍している人は、もれなく適性が備わっていたとは限りません。また、適性がないからといって簡単に歯科衛生士の道を諦めきれないという人も多いことでしょう。

    では、今後歯科衛生士として活躍していくためにどのような方法で適性を身につければ良いのでしょうか。

    コミュニケーションの練習をしてみる

    歯科衛生士にとって不可欠な要素であるコミュニケーション能力は、先天的に身についているものだと誤解しがちです。たしかに、生まれもった性格によって明るくポジティブな人もいれば、会話が苦手でネガティブな人も存在します。

    しかし、コミュニケーション能力=明るい人、というわけではなく、話ベタな人であっても能力を伸ばすことは可能です。自分から話題を提供することが苦手な人は、相手の話に積極的に耳を傾けることを意識してみましょう。これを傾聴の姿勢とよび、親身になって話をしてくれる人に対し多くの患者は信頼を寄せるようになります。

    手技の練習を繰り返す

    細かい作業が苦手な人や集中力が続かない人は、手技の練習を継続的に行うようにしましょう。仕事に対する姿勢や適性はその人の性格が影響することもありますが、それ以上に日々の訓練や習慣によって慣れてくることも多いものです。

    毎日のように手技の練習を積み重ねていけば、もともと細かい作業が苦手な人であっても集中力が維持でき苦痛に感じられなくなります。また、何よりも手技の精度がアップし、歯科衛生士としての腕が磨かれ多くの患者や歯科医師から信頼を獲得できるはずです。

    自分自身の成長を意識する

    些細なクレームや仕事のミスによって落ち込んでしまう人は、精神的に立ち直るのに時間を要してしまいます。しかし、「怒られた」という事実のみに着目するのではなく、自分自身が成長段階にあるとポジティブな方向にとらえてみるのもおすすめです。

    たとえば、作業ミスを指摘された場合には、「大きな事故につながる前に指摘してもらえてよかった」と認識することで、今後二度と同じミスを起こさないようになるはずです。

    実践の現場経験を積み重ねる

    歯科診療の現場では、たびたび治療方針が変わることも多く、その都度柔軟な対応が求められます。しかし、こればかりは実践を積み重ねていくほかなく、専門的な知識よりも実務経験が重要となります。

    専門学校や大学では歯科医院などでの実習がカリキュラムとして組み込まれているため、先輩の歯科衛生士がどのような動きをしているのかをよく観察しながら、臨機応変な対応力を身につけていきましょう。

    努力次第で歯科衛生士の適性は身につけられる

     

    今回紹介してきたように、歯科衛生士として活躍するためにはさまざまな適性が不可欠です。しかし、現在活躍している歯科衛生士全員が始めから適性を持ち合わせていたとは限りません。生まれ持った性格や考え方によっても左右されるところはありますが、仮に適性がなかったとしても訓練や努力次第で適性を身につけることもできます。

    今回の内容を参考にしながら、自分自身が身につけるべき適性を分析し、訓練を積み重ねていきましょう。